2004年5月7日、サイクリングの記録<王子、本郷、秋葉原方面>

 ゴールデンウィークの真っ盛りである。こんな時期にどこも行かずと言うのは寂しい。
 確か王子の紙の博物館で展示会があることを思い出し、昼から自転車に飛び乗る。天気上々、風もなし。長袖シャツながら軽装である。
 まず、綾瀬から日光街道に抜け千住新橋を渡り、荒川添いのサイクリングロードをひたすら川上へ、途中、ランニングのおじさん、お姉さん達にあう。人はなぜこんなに汗かきながら苦しげな形相で走るのか、なんて考えるのは野暮。みな、ひとそれぞれ。
 河川に海まで16Kmと書いてある青い表示杭を発見。ここから逆に行くと東京湾が見られる訳だ。5月の新緑がきれいで気持ちがいい。
 扇大橋の下を抜け、江北橋の道路から住宅街に入り、隅田川の蛇行に掛かった橋を渡ると北区に入る。道に風情のある祠の残る豊島というところを抜けて、まもなく王子駅前に出た。
 学生の頃、王子に下宿していた人を訪ねたことがある。駅の北口に王子製紙の大きな工場があり、そこに紙の博物館があったはず。しかし、今はゴルフ練習場なんかがあり、それらしき物はどこにもない。あるのは製紙工場発祥の地の記念碑のみ。駐車場のおじさんに博物館はどこですかと聞く。「開発の際、飛鳥山公園に移設された」と言われ、南口へ向かう。
 あった、あった。紙の博物館の表示、それから北区飛鳥山博物館、渋沢栄一資料館の看板も。博物館の入り口に駐輪、入り口まで乗り付けられるこんな芸当、車ではできない、とちょっと自転車に優越感。
 入場券は時代を反映し、自動券売機。入場料大人300円。三館共通券720円。ここでこの金額にちょっと迷う。受付のお姉さんに内訳を聞く。各館とも300円で別々に入場すると900円、それを180円分割り引いているとのこと。親切な説明に合点。
 今回は特別展の紙博コレクションを30分ほど見学。
 紙の博物館を出て、飛鳥山にあった渋沢栄一邸を外から見学。確か、谷中をサイクリングしたとき、谷中霊園にこの明治の大財界人の大きなお墓があったことを思い出す。確か徳川の慶喜さんより敷地が大きかった。

 本郷通りに出てまた走り出す。すぐ、右手に旧古川庭園、今、バラの時期であるが今回はパス。ここにはゲーテ記念館そして霜降商店街がある。時間はすでに午後2時、小休止を兼ね少し遅い昼食、本郷通り沿いに古めかしい食堂を発見。
 食後、北区から文京区に入り、駒込駅を通過すると六義園があるがここも通過。本駒込に近づくと吉祥寺の山門が見える。元禄時代の振り袖火事で始まる八百屋お七と吉三で知られるお寺。どういう訳か、諏訪山吉祥寺が山号。何か他人の気がしないのでお参りする。
 そして、本郷、赤門東大前を通過、文京ふるさと歴史館は前にも寄ったことがあるのでパス。まだ寄ったことがない順天堂大裏の東京都水道歴史資料館を休憩を兼ね見学する。ここは入場料は無料だった。
 見学小休止後、神田明神、湯島聖堂を横目で見ながら、日本のおたく文化のメッカ秋葉原に寄り道。
 ここではパソコンでなく、ラジオ会館7階にあるイエローサブマリンというプラモ店をチェックする。全国的に少なくなったスケールプラモのお店がある。昨今のプラモ屋さんはスケール模型には冷たく、フィギャ系やガンダム系が多い。それだけ熱心に作るファンが減ったとういことなのだが……。
 ここだけの話、消えゆく模型屋さんを追ってという企画も考えているのだが……。
 秋葉原を出て、総武線のガード沿いに走り、浅草橋へ出る。昔の柳橋といった場所柄、川に屋形船が係留されている。ここから隅田川沿いに台東区の浅草まで走り、言問橋から墨田区に入る。橋を渡ってここでもう一つ寄り道。
 ア・ビアントという地元の小さなギャラリーに寄る。墨田区の伝統工芸の展示会のお知らせが来ていたからで、だいぶ前に寄ってからここのオーナーと知り合い、それから時々寄らせていただいている。
 ここでお茶をいただき小休止後、水戸街道を走り、四つ木橋を渡り、曳舟通り、お花茶屋を過ぎるとようやく自宅の亀有、帰宅時間はまだ日の残る6時半。これで葛飾、足立、荒川、北、文京、台東、墨田と計7区を回り約7時間の自転車の旅は終了。

荒川の海まで16km道標

扇大橋

北区の隅田川に掛かる橋

隅田川

蛇行する隅田川

北区豊島の祠

日本最初の製紙工場碑

飛鳥山公園

マイちゃりと紙の博物館

渋沢栄一記念館

飛鳥山の渋沢邸跡

飛鳥山公園の渋沢邸

陸橋の山の手線駒込駅

六義園案内図

柳沢吉保で知られる六義園

諏訪山・吉祥寺

お七吉三の碑

一葉ゆかりの桃水の墓のある寺

本郷通りの布袋さん

本郷・東大赤門

神田明神

湯島聖堂の歴史的な土塀

秋葉原電気街

総武線ガード下
Photo by R Suwayama (c)